●アスベストは、地中に埋もれている結晶質の鉱物を原料とした天然鉱物繊維です。鉱物でありながら、結晶が裂けて細かな繊維状にほぐれるという特徴があるので、それを綿状にして断熱材として利用したものです。繊維の太さは、細かく裂けてほぐれるたびに細くなり、直径わずか1ミクロンというホコリサイズになってしまいます。
●グラスウールは、リサイクルガラスを主な原料として人工的に作り出された非結晶質の人造鉱物繊維です。直径4~8ミクロンのガラスの糸を綿状に集めて作った断熱材で、結晶質ではありませんから繊維が折れても太さは元のままで変わりません。
アスベストの危険性は、直径わずか1ミクロンというその繊維の細さにあります。結晶があまりに細かく分裂するので、ホコリのようになって空気中に飛散した場合、容易に人体に吸引され肺の奥深くまで到達してしまいます。また、肺の中で折れて肺胞に刺さった場合、免疫機能に対する耐性が強いために、排出されにくい異物として体内に長く留まってしまいます。
●グラスウールは、溶けたガラスを糸状に吹き出して冷却し綿状にしたものです。人工的に作り出すため繊維径は4~8ミクロンと太く、均一です。折れた場合でも繊維径自体は変わりません。人体には異物を吸入しないような仕組みがあるのですが、およそ3ミクロン以上の大きさのものは、鼻や気管支でほとんど除去されるようになっています。従って、グラスウールは肺の奥まで到達しにくく、仮に入ったとしても大食細胞(マクロファージ)等の免疫機能によって排除されたり、体液に溶かされたりしますので、グラスウールが長期間体内に留まり続けることはありません。
●世界で最も権威のある、物質の発がん性評価機関である「IARC(国際がん研究機関)」によると、グラスウールは〈ヒトに対して発がん性に分類し得ない〉グループ3というカテゴリーに分類されています。これは2001年に再評価された最新の結果です。従来研究データが不十分だったため、1ランク上の〈ヒトに対して発がん性の可能性がある〉グループ2Bに分類されていた時代がありましたが、世界中の科学者による長年の研究成果が、あらためてグループ3を結論付けました。
| グループ1 | (Carcinogenic to humans. ヒト発がん性がある) アスベスト、カドミウム、ホルムアルデヒド、たばこ、アルコール飲料等の87品種 |
|---|---|
| グループ2A | (Probably carcinogenic to humans. たぶんヒト発がん性がある) 紫外線、ディーゼル排気ガス等の63品種 |
| グループ2B | (Possibly carcinogenic to humans. ヒト発がん性の可能性がある) ウレタン、スチレン、ガソリン、コーヒー、ピクルス等の235品種 |
| グループ3 | (Unclassifiable as to carcinogenicity to humans. ヒト発がん性に分類し得ない) グラスウール、ガラス長繊維(glass filaments)、ナイロン、お茶等の483品種 |
| グループ4 | (Probably not carcinogenic to humans. たぶんヒト発がん性がない) カプロラクタム1品種のみ |
●グラスウールは、普通のガラスと同じ不活性の物質で、毒性はなく、肌についたからといって皮膚炎を起こしたり、アレルギー症状を起こしたりすることはありません。まれに皮膚が敏感な方が発赤を起こすことがありますが、シャワーやお風呂等で簡単に洗い流せば解消します。チクチクする不快感を避けるためには、施工作業の際に肌をガードする長袖の着衣や保護メガネ、帽子、マスク等を使用することをお勧めします。また、作業の前に保護クリームを塗っておくことも効果があります。施工作業の後は、石けんと水で皮膚を洗い流したり、洗眼することを心掛けてください。
●グラスウールは、製造工程で硝子繊維がバラバラにならないように〈バインダー〉と称する接着剤を使用します。よって、この接着剤に含まれている溶剤からホルムアルデヒドが発生することがあります。しかし、最終工程で熱処理をするためこのホルムアルデヒドは蒸散してしまい製品中に多く残留することはありません。従って、住宅等へ施工した後もホルムアルデヒドを放散し続けるということはありません。グラスウールのホルムアルデヒド放散量については、施工について全く使用規制を受けない「F☆☆☆☆」等級となっておりますので、室内環境への影響は全くありません。シックハウス対策をするうえでも安心してお使いいただけます。