グラスウールが選ばれる理由
グラスウールは、1940年代に日本へ導入されました。以来、建築設備や住宅などの断熱・吸音材、あるいは不燃材料として幅広く利用され、環境の向上や省エネルギーに大きく貢献してきました。一方、近年のアスベスト(石綿)の発ガン問題を契機に、グラスウールの健康・安全性についての認識が高まり、需要が増えてまいりました。ここでは、最新の情報をもとにグラスウールの安全性についてご説明いたします。

グラスウールは太い繊維です
グラスウールは直径が4~8ミクロン程度の繊維です。
その太さが皮膚の表面に物理的な刺激を与え、一過性のかゆみを感じさせます。
グラスウールはアレルギーを起こしません
グラスウールの繊維は普通のガラスと同様に不活性の物質で毒性はなく、アレルギーを起すことはありません。
まれに皮膚が過敏な方に炎症等を起こすことがありますが、グラスウールを取り除くことにより解消されます。
グラスウール取扱時の服装
不快な刺激を避けるために、加工や施工作業のとき、皮膚をガードする手袋や長袖の着衣、保護メガネや帽子などを使用することをおすすめします。
また作業前に保護クリームを塗るのも効果があります。
作業後は、石けんと水で皮膚を洗い流したり、目洗いなどを心掛けてください。

施工後も安心してご利用いただけます
グラスウール製品には飛散防止剤が入っています。
一度施工されたグラスウールからの再飛散はほとんどありません。
シックハウスの心配はありません
最近、住宅の汚染化学物質としてホルムアルデヒドが注目されています。
グラスウールはF☆☆☆☆であり、しかも主に壁体内に施工されるので室内環境への影響はありません。
施工後、室内の空気汚染はありません
壁体内に施工されたグラスウール断熱材は通常、室内の空気に影響をあたえることはありません。


通常作業にて悪影響の心配はありません
通常の取り扱い作業では、ガンをはじめとする呼吸器系の疾病を起こす危険性はありません。また、通常の呼吸では、体内の防御・免疫機能の働きによって、発ガン等の健康影響にも心配はありません。
疫学研究からの見知からも安全です
40年以上にわたる世界でのヒトに対する疫学研究で、グラスウールに携わっている人の健康診断結果や死因調査報告の中に、グラスウールが原因と考えられる異常や所見は認められていません。
世界で安全だと認められるグラスウール
国際ガン研究機関(IARC)は2001年にグラスウールを含む人造鉱物繊維を“ヒトに対する発ガン性に分類し得ない物質”であるグループ<3>であると評価しました。


アスベストは発がん性のリスクが高い物質です
IARCは、アスベスト(石綿)を“ヒトに対して発ガン性のある物質”としてカテゴリー<1>に分類しています。
アスベストとグラスウールはまったく異なる物質です
アスベストは結晶性ですが、グラスウールは非結晶であり、その性質は大きく異なります。
- アスベストは1ミクロン以下の繊維ですが、グラスウールは4〜8ミクロン程度の繊維です。
- アスベストは結晶性ですが、グラスウールは非結晶のため体液に溶けやすい性質です。
- アスベストは折れると細くて長い繊維に分かれ容易に肺胞まで到達してさまざまな病を引き起こしますが、グラスウールは折れてもほとんどが肺や気管支で除去され非結晶なので身体に残りません。
よってグラスウールは万一、体内に侵入しても体液に溶け、短期間で体外に排出されます。
グラスウール

折れても太さは変わらず、肺に達しない。
アスベスト(石綿)

細い繊維状に裂け、肺に吸収されやすい。