優れた断熱材であるグラスウールの性能を100%発揮し、その性能を10年、20年と維持するためには、グラスウールを正しい施工法で使う必要があります。
住宅の高断熱化は、使用エネルギーの低減だけでなく、全室冷暖房や部屋の上下の温度差がなくなるなど、より快適な室内環境が実現できます。
しかし、誤った施工をすると、十分な断熱性能が得られないだけでなく、結露の発生によるカビやダニの発生、さらには柱や土台の腐朽といった、住宅の寿命を縮める危険性も含んでいます。それらを回避するための断熱施工の基本的な対策について説明します。
在来木造工法は、壁の上下端が天井裏、床下に開放されている工法です。そのため壁の中を空気が流れ、断熱材の性能低下が起こっていました。
これを解決するために、先張りシートや間仕切り壁の後施工などの「気流止め」の措置が必要となります。
多少面倒な作業ですが、断熱・気密工事の重要なポイントになりますので、きちんと施工してください。
外壁内の通風を止めるには、次の3つがポイントとなります。
間仕切り壁内の通風を防ぐには、次の2つがポイントとなります。
室内からの水蒸気の侵入を確実に防ぐためには、施工中に破れにくく連続性のとりやすい厚手のポリエチレンフィルム等の防湿・気密層が必要です。このフィルムの施工は、できるだけ幅広のものを使用し、継ぎ目は下地のある部分で10cm以上重ね合わせ、仕上げ材等で押さえつけて気密性を確保します。
木材の水分や壁体内に侵入した水蒸気の排出のため、壁(および屋根)の断熱材の外側と外装材の間に通気層を設け、壁体内を乾燥状態に保ちます。通気層は必ず上下を開放します。通気や雨によるグラスウールの断熱性能の低下を防ぐために、防水性を持ちながらも水蒸気を通しやすい透湿防水シート(防風層)を施工します。
十分に乾燥していない木材を使用すると、住宅完成後の乾燥により、木材の収縮や変形が発生し、気密性能が低下する原因となります。
構造材や主要下地材には、乾燥木材(含水率20%以下)を使用してください。
躯体の断熱気密工事の他に、床下地盤面の防湿工事、床下および小屋裏の換気措置も防露には不可欠な対策です。
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